一昨年(1995年)の夏に奈々の発達遅れが分かってから、まだ幼い
し、今、頑張ればきっと、健常児と同じに過ごせるようになると思って
いました。
発達遅れが分かった時には、「何故、娘が?」とも思いました。
方々の病院を渡り歩き、脳波、MRI(脳の断層写真撮影)、染色体検
査等、幼い娘にとっては大変なことだったと思います。
時間が経つにつれ、見た目よりも非常に障害が重いことが分かってきま
した。
昨年の5月に療育手帳A判定、7月にはレット症候群と診断され、8月に
身体障害者手帳2級をもらいました。
日本レット症候群協会にも入り、9月にレット症候群のシンポジウムが
幕張メッセで開かれ、たくさんのレット姫と出会い、専門の先生とも、
お話が出来、どんな病気で、どのような可能性を持っているのかも、分
かってきました。
どんな病気か分かり、また、今の保育園で、重度の障害児を持つ家族と
触れ合うことにより、少し肩の力が抜け、奈々の病気を個性と受け止め
て、人にも娘のことが話せるようにもなりました。
きっと、障害児を持つ親が、子供の障害を個性として受け止めるまでに、
同じような歩みをしていくのではないかと思っています。
いろいろな意味で大変ではありますが、今は、他の子供よりも非常にゆっ
くりしたペースですが、少しづつ成長しています。
これから先の不安、課題はたくさんありますが、今は、奈々が歩け、歩く
ことにより、たくさんの刺激を受け、心身ともに成長することだけを考え
ています。
夫婦が一つのことに向かって力を合わせている姿は、きっと、一番幸せな
姿なのではないでしょうか?
極真会館で空手をやっていた時にお世話になった、事務長さんが昨年、
私たちに、「夫婦が一つのことに向かって力を合わせている時が一番幸せ
な時」ということをお話ししてくれましたが、今は、その言葉の意味が分
かるような気がしています。