女の子にのみ発症する病気で、10、000〜15,000人に一人というかなり
高い確率で発症する、小児慢性疾患の1つです。
原因は、いまのところ分かっていませんが、最近の研究で、x染色体上に淡い連鎖が
発見され、原因の究明に向け光明が見えてきました。
生まれてから6ケ月は、正常に発育し、6〜30ケ月頃に発症し、目的を持った手の
機能が退行し、歩行の失行、精神の発達が遅滞する病気で、年齢とともに、運動機能
と精神がゆるやかに退行する病気と言われています。
昨年のサマーキャンプの瀬川&野村先生の講演で私なりに理解した内容では、生まれ
てからの6ケ月までの成長は、実は、正常ではなく、すでに病気の発症状態にあり、
正常な範囲だが、おとなしく、手がかからず、良く眠る子供というような差異しか
みられません。
この病気は、胎生期35週くらいに形成される脳神経系の一部がすでになんらかの阻害
を受け、本来は、1才くらいまでに育つべきところが育たない、また、メラトニンとい
うホルモンの分泌が無いため、昼夜の区別がつかず、夜昼となく良く眠ると言われてい
ます。育つべき神経系が育たないため、ある時点から、機能的な退行が始まると考えら
れています。
会社に例えると、小さな有限会社(赤ちゃんの状態)のうちは、不完全ですが、ちょっ
と頼りない社長(未熟な神経系)が、なんとか運営をしていきますが、会社の規模(体
)が大きくなると、末端まで目が行き届かなくなり、今まで、うまくいっていたことが
できなく(退行)なっていく状態です。ここで、後継者(本来1才までに成長する神経
系)が育てば良いのですが、育たないため、各部署(体の5感)の機能は正常に近い状
態ですが、各部署(体の5感)からの情報を判断して、各部署(体の5感)に指示を出
す、野球で言うと監督が、会社で言うと社長又は管理職が不在に近い状態となっている
のが、レット姫の状態だと分かりました。
脳波異常(てんかん)と脊椎の側湾を伴う例が多く、学童期以降には、側湾を矯正する
手術が必要な子供がいます。
そして、てんかんを併せ持つ子供が多く、睡眠パターンが安定しにくい子供が多いのも
特徴です。
(私の娘も、最近は眠りますが、毎夜、夜中に起きてなかなか寝ないことが多い)
外見上の特徴は、手をもみ合わせる、手をたたく、手を口に入れる等の意味の無い常動
運動を繰り返すのが特徴で、小児神経の先生でも、知らない先生がいる為、脳性麻痺、
自閉症、睡眠障害、精神発達遅滞等の診断がされることが多いそうです。
私の娘は、手を口に入れる常動運動が有り、砂、土等も口に入れてしまいます。
このため、細菌の経口感染と思われる高熱を出しやすく、年に数回、近くの総合病院に
緊急で入院しなければなりません。
レット姫は、決して好きで口に手を入れている訳ではなく、自分の意志とは無関係に動
く手の動きは、苦痛を伴っているとまで言われています。
この病気は、症候群と名前から推測できるように、歩けて、筆談できる子供から、ほと
んど動けない子供まで、非常に幅の広い病気です。
この娘達は、見ること、聞くことはできますが、見たり、聞いたりしたことを、まわり
の状況と関連付けて理解し、反応することが難しいのです。
決して、知能が低いのでは無く、反応したり、表現したりすることが難しく、また、時
間がかかると言われています。
目だけは、意志を良く表現できると言われています。
この病気の子供達を見かけたら、優しく微笑みかけてあげて下さい。
私たちを勇気つける、この病気の発見者であるレット先生の言葉があります。
「あなた方は、この子供を持ったことを幸せに思いなさい。何故かと言えばレッ
ト症候群の子供は可愛らしい子が多く、特に、目が美しい。その目は、かなり
進行した患者の場合でも、とても美しい」
この病気には、JRSA(日本レット症候群協会)と言う、親の会があります。
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